【家族のお守り】ジュエリーの歴史とパワーストーンの起源に見る、人々の愛と祈り
(画像1)ラファエロが描いた「ヴェールをかぶる婦人の肖像」。頭部に飾られたルビーとサファイヤ、そして真珠で構成されたアクセサリーは愛する男性から贈られたものと伝えられています。
ジュエリーを身につける理由、それはなんでしょうか。
ジュエリーはもちろん、身につけた人を美しく見せる効果があります。でも歴史を紐解けば、人々はさまざまな思いや願いを込めてジュエリーを身につけていたことがわかります。
そう、人々は太古の昔からパワーストーンによる守護を信じてきました。 残された絵画や文献から、ジュエリーが持つ深い意味や精神性を探ってみましょう。
パワーストーンの起源は古代にあり!
(画像2)古代エジプトにおけるジュエリーはパワーストーンの意味合いが強かったといわれています。
ジュエリーはいつ頃生まれたのでしょうか。
ジュエリーという言葉にはゴージャスなイメージがありますが、人類が文明を生み出した時代には、すでにパワーストーンと思しきものが存在していました。 その歴史を簡単にご紹介します。
魔除けやお守りとして身につけたジュエリー
古代におけるジュエリーは、当時の人々が身近にある素材を使って作ったものが大半でした。動物の骨、羽、木の実、貝を材料に作られたネックレスやペンダントが、世界中の遺跡から発見されています。
スピリチュアルな意味が強かったこうしたジュエリーは、文明が発達していく過程で洗練され、貴石や金が使われるようになっていくのです。
ジュエリーを生み出す職人たちも紀元前から
文明が発展し商業や工業が人々の生活を潤わせる時代になると、当然ジュエリーを作る職人たちも生まれます。 ジュエリー職人たちは、紀元前3000年頃には存在していたと言われているのです。
それぞれの文明の交易の範囲が広がるとデザインも変化したため、発見されるジュエリーは歴史学においても大切な人類の遺産。
大いにロマンをかきたててくれます。 西洋の文化の源となった古代ギリシアでは、ジュエリーを贈り物にする習慣があったこともわかっています。また、結婚指輪という概念も古代ローマ時代に生まれたといわれています。
芸術で見ることができる中世以降のジュエリー
中世の王様たちは特に宝石を愛し、王冠にはふんだんに宝石が使われるようになりました。ジュエリーは選ばれた人の特権として、権力の象徴でもあったわけです。
一方で女性たちは、お気に入りのジュエリーを身につけて肖像画に描かれたり彫刻になったりする時代がやってきます。ルネサンスの時代、レオナルドやラファエロが描いた女性たちも美しいジュエリーを身につけているのがわかります。
ルネサンス時代は絵画や彫刻などの傑作がたくさん生まれた時代ですが、ジュエリーを作る職人たちの技術も向上したことが、残された作品から読み取れます。
ジュエリーが普及していった時代
ジュエリーはある時代までは、ごく一部の富裕階級だけのものでした。しかし産業革命で中産階級の経済力が向上し、ジュエリーを所有できる人たちが増えていきます。
ジュエリーを手に取る喜びを多くの人たちが感じることができるようになった近代には、ジュエリーのデザインも多様化しました。
現代の私たちが、フォーマルなシーンで身につける宝飾品やごく日常的に楽しめるタイプまで、バラエティ豊かなジュエリーを楽しめるのも歴史によって作られた風習なのです。
魔除けやお守りの役割を果たしたパワーストーンの数々
王侯貴族の肖像画に見ることができるジュエリー。 描かれた人物に美しさと気品を与えるだけではなく、そこにはさまざまなメッセージが込められています。
見た目の美しさだけではなく、その人の内なる魅力や徳を伝えるジュエリーにはどんな意味があったのでしょうか。ヨーロッパに伝わるジュエリーの歴史や意味について見ていきましょう。
ガーネット
(画像3)19世紀半ば、アングルが描いた貴婦人の肖像。
大きなペンダントはいくつものガーネットで構成されています。 ガーネットは古代から、火の要素とされてきました。 中世になり、ガーネットの色がザクロ(ラテン語でmalum granatum)に似ていることから「ガーネット」という名が定着します。
ちなみに、ザクロは豊穣や多才などポジティブなイメージがあるフルーツです。 14世紀以降、ガーネットは悲しみを遠ざけ喜びへと導いてくれる力があると信じられてきました。
こうした魔除けの効能から、王侯貴族の宝飾品として定着したのです。
アメジスト
「アメジスト」の語源はギリシア語で「酩酊しないこと」を意味します。 アメジストを身につけることで酔いを遠ざけるという言い伝えがあり、中世に入ってからは邪心を寄せつけず、さらに智慧を有することができると信じられてきました。
また中世の騎士たちが、勝利のためのお守りとして身につけていたという記録もあります。
アクアマリン
ラテン語で「海の水」を意味するアクアマリンは、海の神のポセイドンの怒りから船を守るお守りでした。 中世からルネサンス時代には、アクアマリンを入れた水を飲むと、さまざまな病気に効能があると信じられていたそうです。
また妊娠中の女性が身につけると、安産に導いてくれるというお守りの役割も果たしてきました。
ダイヤモンド
(画像4)カトリック教会における枢要徳のひとつ「剛毅」として描かれた女性は、ダイヤモンドが飾られた鎧を身につけています。
ダイヤモンドは鉱物のなかでも最も硬いという性質から「御せないもの」という意味のギリシア語が語源となっています。 この性質から、古代よりダイヤモンドは神性を宿していると考えられてきました。
あらゆる悪や不幸を遠ざける「不敗」の象徴として、最強のお守りであったわけです。 病気や悪夢から守る魔除けとしても、古来珍重されてきました。
エメラルド
(画像5)エジプトのファイユームから発掘された2世紀ごろの肖像画の女性。
エメラルドのアクセサリーを身につけています。 古代から人々を最も魅了してきた宝石のひとつ、それがエメラルドです。
エメラルドは水の色も変えることができるとか、物の姿を映すなど、神秘的な言い伝えが多いのも特徴。 お守りとしての効力もエメラルドの人気が高かった要因のひとつで、中世では左腕にエメラルドをつけると魔力に惑わされないとされてきました。
ムーンストーン
古代ギリシアでは、ムーンストーンは月光が凝固したと信じられ、月の神と関連付けられてきた経緯があります。
近代ではアール・ヌーヴォーの時代に、ルネ・ラリックをはじめとするアーティストがムーンストーンを愛し、作品に使用しました。
心を穏やかにするお守りとされ、結婚や妊娠など女性の人生に寄り添ってくれるという伝承があります。
ルビー
(画像6)日本の女性に人気のラファエロが描いた『一角獣を抱く婦人』。
大粒のルビーの存在感が際立っています。 燃えるような色から「火」や「太陽」と強い関連があるといわれたルビー。 古代の人々は、ルビーはそれだけで水を沸騰させることができるほどの熱を持っていると信じていました。
その熱は「愛の原型」のシンボルとして、聖母マリアや「愛」のカテゴリーとして描かれてきました。 また、勝利や長寿のためのお守りとして持ち歩く風習もあったようです。
ペリドット
ペリドットは特に古代エジプトで愛されたといわれ、クレオパトラも身につけていたという伝説があります。
悪魔から身を守るだけではなく、嫉妬などのネガティブな感情から解放してくれる魔除けとされてきました。友情を育てるパワーもあるのだとか。
サファイア
(画像7)15世紀の祭壇画に描かれた天使はサファイアを身につけています。
サファイアはその昔、「ヒヤシンスの色」という名で呼ばれていました。 のちに「青い玉」という意味の「サファイア」という名前が定着し、神がいる空の色であることから西洋社会では大変愛されました。
巡礼者がお守りとして身につけたり、ペストから守る魔除けの効能があるとされたり、敵意や悲しみを遠ざけるといわれていたそうです。 世俗的には名誉や富をもたらすとも。
ピンクトルマリン
トルマリンはスリランカの言葉を語源としていて、18世紀にオランダ人によってヨーロッパにもたらされました。
さまざまな色を持つトルマリンのなかでも、ピンクのものは優しい色合いで人気があります。 普遍の愛を受け入れ、それを理解する力を持つパワーストーンといわれています。
ブルートパーズ
トパーズにはエジプトの王にまつわるエピソードがあります。ある島から大きなトパーズが発見され、これを献上されたエジプトの王は愛する妻の姿をトパーズに刻み、神殿に奉納したのだそうです。
古来トパーズは魔除けとして珍重され、中世には怒りや悲しみといった否定的な感情を抑えるとされてきました。 また高潔や誠実のシンボルでもあります。
タンザナイト
20世紀にアフリカのタンザニアで発見されたタンザニアは、神秘的なブルーが魅力的な石です。ティファニーが商品化したことで世界中に知られるようになったタンザニア、家族との絆をより強固にするパワーがあるのだとか。
病気や死から子どもたちを守ったパワーストーン
(画像8)15世紀に描かれた貴族の少女。
腰に下げているのはポマンダーと呼ばれるジュエリーで、魔除けの意味がありました。 ジュエリーの役割は、おしゃれのためだけではなかった証拠が絵画に残されています。
それは、子供たちが身につけているジュエリーの数々にあります。 幼児の死亡率が高かった頃には、子どもたちのつつがない成長を願ったのは当然のことかもしれません。
家族の幸せを願ったジュエリー
(画像9)鈴、サンゴなど魔除けのオブジェを身につけているスペインの王子。17世紀の絵画です。
高名な画家たちが残した子供たちの肖像画には、「お守り」や「魔除け」の意味を持つジュエリーがたくさん描かれているのです。
ジュエリーはまさにパワーストーンとして、子どもたちの人生に寄り添っていたわけです。 世紀を超えて変わらない人々の思い。 そうした想いをジュエリーに託すのは、ごく自然な慣習として定着したのでしょう。
家族の未来と幸福を願う現代版ERILISS
人々が愛や絆をジュエリーに込めてきた歴史。 それは現在進行中です。ERILISSのジュエリーはまさに、家族や大事な人への愛、そしてあなたご自身の想いを形にしたアイテム。
あなたが選ぶそのパワーストーンには、災難厄除・家庭円満・無病息災などといった家族の幸せの祈りが込められています。 愛する人のためにお守りや魔除けとしてパワーストーンの役割を果たしてくれるERILISSEのジュエリー。
大事な人や自分の誕生石を選んで、組み合わせも自在です。 人生におけるアクセントとして、ERILISSのジュエリーで生活に花を添えてみてください。
■ 誕生石でセレクトメイドできるファミリージュエリーはこちら
3 Jewel Family Necklace
<参照元> Silvia Malagucci著『Oro, Gemme e Gioielli』2007, Electa社刊
https://www.diamantianversa.com/blog/diamanti-significato/
https://www.antoniocolonna.com/it/blog/23-l-esperto-consiglia/148-impariamo-la-storia-del-gioiello-la-preistoria.html
https://www.voiceofgold.biz/2021/03/09/i-gioielli-nellantico-egitto/
https://www.pisaorologeria.com/it/attivita/fede-nuziale/
https://www.blondi.it/blog/rubino-significato-curiosita-gioielli