月のパワーを秘めた宝石【ムーンストーン】幻想的な6月の誕生石の石言葉や意味を解説
夜空に浮かぶお月様のような儚い輝きを持つムーンストーンは、6月の誕生石の一つです。「月のパワーを秘めた石」として人気のあるパワーストーンでもありますが、どのような宝石なのか詳しく知らないという方も多いでしょう。そこで、今回の記事では、ムーンストーンの鉱物的な特徴や歴史、石言葉、意味などを詳しく解説します。
ムーンストーンとはどんな宝石?名前の由来や歴史
6月の誕生石と言うとパールの印象が強いですが、ムーンストーンも6月の誕生石のひとつです。夜空に浮かぶ月をに似た繊細で神秘的な輝きを放つ宝石ですが、ムーンストーンの歴史や宝石としての特徴を詳しく知らないという方も多いかもしれません。まずは、ムーンストーンがどのような宝石なのかを詳しく解説します。
ムーンストーンの鉱物的な特徴
ムーンストーンは、長石(フェルドスパー)という鉱物グループの一種で、オーソクレース(正長石)とアルバイト(曹長石)の2種類の長石が混ざり合ってできたものです。一般的なムーンストーンは白色~乳白色をしており、光の当たる角度によって青やシルバーの光の筋(シラー)が浮かび上がります。他にもオレンジ、ピンク、グリーン、グレー、ブラウンなどのタイプもあります。 ムーンストーンの鉱物的な特性は以下の通りです。
- 鉱物属性:長石
- 化学組成:KAlSi3O8
- 屈折率:1.518~1.526
- 複屈折量:0.05~0.008
- 比重:2.58
- モース硬度:6.0~6.5
ムーンストーンの産地
ムーンストーンの主要な原産国はインドとスリランカです。その他、タンザニア、ブラジル、マダガスカル、ミャンマー、アメリカなど、世界各地で採掘されています。ムーンストーンは産地によって発色が異なりますが、透明度が高くてとりわけ美しい輝きを持つと言われているのはスリランカ産のムーンストーンです。
ムーンストーンの歴史と名前の由来
ムーンストーンは紀元前1世紀頃から知られている、最も歴史の古い宝石の一つです。もともとは、ギリシャ語の「セレニーテス(月)」や「アフロセレーノン(月の泡の石)」などの名称で呼ばれていました。ムーンストーンは世界各地で月の力が宿る石と考えられており、「満月の夜にムーンストーンを口に入れると未来が見える」「月の満ち欠けに合わせてその形を変える」など、多くの超自然的な伝承が残っています。
ムーンストーンという名称を付けたのは古代インドと言われていますが、西洋でのムーンストーンの語源はドイツ語の『Mondstein』(モーントシュタイン)と言われています。
和名は月長石(げっちょうせき)
ムーンストーンの和名は、月長石(げっちょうせき)や月石(げっせき)です。日本でも長野県の木崎湖や富山県の人喰谷の2カ所で、ムーンストーンが採れます。
ムーンストーンの種類
ムーンストーンには色や産地によって、いくつかの種類があります。ここでは、代表的なものを紹介します。
【ブルームーンストーン】
ムーンストーンの中で最も人気のある種類で、乳白色をしておりシラー効果で美しい青色が浮かび上がるのが特徴。スリランカ、インド、ミャンマー、オーストリアなどで採掘されている。
【ロイヤルブルームーンストーン】
ブルームーンストーンの中でも透明度が高くて不純物が少なく、青色が特に強く現れているもの。希少価値が高い。
【アデュラリアンムーンストーン】
オーストリアのアデュラー山脈で採掘されるムーンストーンで、透明度が高く内側に青白いシラーを放つのが特徴的。
【ホワイトムーンストーン】
ベースカラーが優しい乳白色でシラーにも青色がほぼみられないため、清らかな輝きを持つのが特徴。
【レインボームーンストーン】
ムーンストーンとは異なる斜長石の一種で、石の表面に虹のように見える7色の光が浮かび上がるのが特徴。正式な名称はホワイトラブラドライト。
ムーンストーンの3つの特徴
月のような神秘的で優しい輝きで世界中の人を魅了するムーンストーンには、どのような特徴があるのでしょうか?ムーンストーンが他の宝石とは異なる3つの特徴について解説します。
1.幻想的な輝きはアデュラレッセンス(シラー効果)によるもの
ムーンストーンの最大の魅力である幻想的な輝きは、屈折率が異なる2種類の長石から構成されていることから生み出されています。ムーンストーンの内部には形成途中に分離した2種類の長石が交互に薄い層を成しています。光がこの薄い層の間に当たるとあらゆる方向に分散し、アデュラレッセンス(シラー効果)と呼ばれる光学的現象が生まれます。
見る角度を変えることにより、青色が強くなったり白色が強くなったりする、うねるようなゆらめくような幻想的な輝きを作り出しています。
2.カボション・カットが多い
カボション・カットとは、下部が平らまたは僅かに丸みを帯びており、上部が凸状または丸いドーム型に研磨されたカット方法です。カット面がなく丸みを帯びたカボション・カットはカボション・カットはシラー効果をより引き出せることから、ムーンストーンの多くはカボション・カットが施されています。
カボション・カットは月に例えられることの多いムーンストーンのイメージにもよく合い、優しくも幻想的な輝きを放つムーンストーンの魅力を最大限に引き出してくれます。
3.傷つきやすく衝撃に弱い繊細な宝石
ムーンストーンのモース硬度は6.0~6.5と低く、傷つきやすい宝石です。また、ムーンストーンには劈開(へきかい)という特定方向へ割れやすい性質を持っているため、落としたり硬いものにぶつけたりすると、欠けや割れが生じやすくなります。
また2種類の長石が薄い層を形成していることから、高温や急激な温度変化にも弱い傾向にあります。ジムやサウナでは、ムーンストーンのジュエリーは外すのが無難です。また、保管場所は直射日光の当たる場所は避け、他のジュエリーとぶつからないように個別に保管したり袋に入れたりなど、工夫しましょう。
ムーンストーンのお手入れはやわらかい布で拭くのが基本です。汚れが目立つ場合は中性洗剤を少量混ぜた水に浸し、綿棒ややわらかいブラシなどで優しくこすりながら汚れを落としましょう。衝撃に弱い石なので、超音波洗浄やスチーム洗浄は避けましょう。
ムーンストーンの石言葉・意味・効果
宝石には、それぞれの宝石に込められた意味や祈りを表す石言葉があります。ここからはムーンストーンの持つ石言葉・意味・効果を詳しく解説します。
ムーンストーンの石言葉や意味
ムーンストーンの石言葉は、「健康」「長寿」「幸運」「恋の予感」「円満」「無垢」「純潔」「完成」などがあります。ムーンストーンは古来から月の力が宿る石と信じられていたことから、石言葉でも健康、恋愛、幸福に関する多くのポジティブな言葉が反映されています。
ムーンストーンの効果
月には生物の生命力や女性性を強化する神秘的なエネルギーがあると言われています。ムーンストーンも同様に、心身の健康をサポートしたり、女性性を高めたりするのに効果があります。
【女性性を高める効果】
古くから月は女性性を象徴することから、ムーンストーンには女性の幸福をサポートする効果があります。また、月のサイクルに影響されやすい女性の体の不調を整えてくれる効果もあります。
【恋愛運を高める効果】
ムーンストーンは「恋人たちの石」とも呼ばれており、恋愛の成就や幸せな家庭生活を招く効果があるとされています。
【癒し効果】
ムーンストーンの月光のような優しい輝きには、ストレスや不安を緩和する効果があると言われています。
【創造性を高める効果】
月は古くから多くの芸術家にインスピレーションを与えてきました。ムーンストーンを身に着けると感性が刺激され、新しいアイデアを生んだり創造力を発揮したりすることができます。
【直感力を高める効果】
月のエネルギーを宿したムーンストーンには、持ち主の直感力や洞察力を研ぎ澄ます効力があるとされています。ムーンストーンを身に着けることで、物事の真理を見極めて直感的に判断できるようになるでしょう。
ムーンストーンを使ったジュエリーはこんな人におすすめ
月のエネルギーを閉じ込めた宝石と言われるムーンストーンは、古くからパワーストーンとして人気があります。お守りとしての効果が高いため、日常的に身に着けている人が多い宝石のひとつでもあります。ムーンストーンを使ったジュエリーは、以下の方に特におすすめです。
6月生まれの方
誕生石には、災いを避けたり幸運を引き寄せたりする効果があるとされています。6月の誕生石は真珠とムーンストーン、アレキサンドライトの3石ですが、ムーンストーンには真珠やアレキサンドライトとはまた違った魅力があります。
真珠はフォーマルな印象があり、デザインもビジネスシーンやかしこまった席に身に着けやすいシンプルで上品なものが多めです。ムーンストーンは色やサイズのバリエーションも豊富で、ファッションジュエリーとしていろいろなデザインを試しやすいです。
ムーンストーンの硬度は6.0~6.5と他の宝石に比べると傷つきやすい部類に入ります。しかし、モース硬度が2.5の真珠や、非常に高い価格で取引されるアレキサンドライトと比較すると、ムーンストーンは日常的に着用しやすい宝石であると言えます。
結婚13周年の方
結婚記念日には年数ごとの宝石が決められていますが、結婚13周年は月長石婚式と呼ばれており、ムーンストーンが結婚記念日の宝石です。結婚13年目というと、子育ても最も手のかかる時期が過ぎ、家族の暮らしが安定してくる頃です。夜空を優しく照らす月のように穏やかな家庭生活が続きますようにという願いをこめて、夫から妻へ、ムーンストーンのジュエリーを贈ってみてはいかがでしょうか?
芸術家や音楽家など感性を高めたい方
ムーンストーンは感性や創造性を高めてくれる効果があるため、クリエイティブな仕事をしている方に最適です。芸術家、音楽家、役者、デザイナー、文筆家など、ムーンストーンのジュエリーを身に着けることで、創作意欲が掻き立てられるかも。自分の中に眠っている可能性を引き出してくれるでしょう。
ムーンストーンのジュエリーを購入するなら『ERILISS』で
月のエネルギーを宿すと言われるムーンストーンは、ネックレスや指輪などで日常的に身に着けていると、健康・恋愛・創作活動など、いろいろな面で良い影響を受けられそうですね。誕生石でセレクトメイドするジュエリーブランド『ERILISS』では、6月の誕生石にムーンストーンを選択しています。
『ERILISS』では、各月の誕生石である12石の中から3石の宝石を選んで並べられるのが特徴です。自分の誕生石、家族の誕生石、色合い、石言葉など、どの3石をどの順番で並べるかを自由に選べます。乳白色の優しい輝きを持つムーンストーンは、他の宝石とも合わせやすく、上品にまとめあげてくれるでしょう。6月生まれの方はもちろん、ムーンストーンの石言葉や効果の恩恵を受けたい方は、ぜひムーンストーンを3石のうちの1石に選んでみてください。