【誕生石の特徴】世界中で人気のある宝石の価値や歴史、取り扱い方法など、12の誕生石を徹底解説

パワーストーンやお守りとして、古くから人気のある誕生石。
この記事では、12ヶ月ある誕生石それぞれの特徴や魅力、歴史や伝説、取り扱い方法まで、様々な角度から12石の宝石を徹底解説しています。
誕生石が世界中で人気な理由は、見た目の美しさや石言葉だけではありません。奥深き宝石の世界をお楽しみください。
1月の誕生石「ガーネット」
ガーネットの石言葉
「真実・友愛・忠実」
実はいろんな種類と色があるガーネット
ガーネットの和名は石榴石。その名の通りガーネットといえば、赤い石榴のような美しい赤色を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、ガーネットの種類はなんと15種類以上あり、色もグリーン、イエロー、オレンジ、赤紫など様々な色があるのです。
最近注目されているのはグリーン系のガーネットで、ツァボライトはハッキリとした深緑色が魅力です。希少と言われているのはデマントイドガーネットです。
王道の深い赤色をしているのはアルマンダイトガーネットで深みのある赤色が特徴です。
屈折率が高いため輝きが強く、落ち着いた赤とあわさることで華やかな高級感が楽しめます。
ガーネットをジュエリーにするなら
ガーネットは硬度7前後(種類によって差があります)とジュエリーにするには十分な硬度がありますから、リング、ネックレスなど、どのアイテムでも使用することが出来ます。
ガーネットは小さいサイズでも大きなサイズでも鮮やかな色で目立つので、ジュエリーにすることでより映えます。
ネックレスにすれば顔周りを華やかにし、明るい印象にしてくれますよ。
2月の誕生石「アメシスト」
アメシストの石言葉
「誠実・高貴・心の平和」
深い紫色が美しいアメシストの歴史
アメシストは紫水晶のことで、古くから宝飾品として愛用されてきました。
その証拠に紀元前1991年頃のエジプトで作られたアメシストのリングが見つかっています。
古来より紫色には「高貴な身分に生まれつく」という意味があり、多くの権力者が好んで身につけたようです。
水晶は当時の技術でも研磨・彫刻することが出来たので、様々な彫刻を施されました。
その多くは魔除けなどの意味合いを持つもので、カラベ(甲虫)やライオンなど様々な彫刻が見られます。
アメジストの名前の由来は知ってる?
アメシストという名前は、ローマ神話に出てくる乙女の名前からきていると言われています。
酒を司る神バッカスはアメシストという乙女を襲おうとした時、アメシストは清らかなままでいられるように神に祈ります。
月の女神がその願いを聞き入れ、なんとアメシストを白い石に変えてしまいます。
己を恥じたバッカスは白い石となったアメシストにワインをかけたところ、白い石は紫色に変わったそうです。
この神話からアメシストは酔いを払う効果があると信じられています。
3月の誕生石「アクアマリン」
アクアマリンの石言葉
「聡明・勇敢・沈着」
人魚姫の涙と言われるアクアマリンの言い伝え
アクアマリンはラテン語で海と水という意味で、いろんな海に関わる伝承が残っています。
有名なのはアクアマリンは元々海の精の宝物で、それが陸に打ち上げられて宝石になったというお話です。
船乗りに恋をしたマーメイドが流した涙がアクアマリンになったという伝説も残っています。
今でもアクアマリンは航海のお守りとして多くの船乗りに愛用されているそうです。
アクアマリンとエメラルドは同じ宝石ってご存知?
アクアマリンといえば瑞々しい水色をしていますが、エメラルドは鮮やかなグリーンが特徴です。
実はこの二つはどちらもベリルという鉱物です。同じ鉱物なのに色も全然違いますよね。これは着色成分が違うことが原因です。
アクアマリンは鉄、それに対してエメラルドはクロムが着色成分です。
他にもピンク色はモルガナイト、無色はゴシェナイト、黄緑色はヘリオドールという宝石名で呼ばれます。
同じ鉱物でも色によって宝石名が変わるなんて不思議ですよね。
4月の誕生石「ダイヤモンド」
ダイヤモンドの石言葉
「永遠の絆・純潔・不屈」
宝石の王様ダイヤモンドの輝きの秘密
ダイヤモンドはなぜ無色なのにこんなにも魅力的なのでしょうか。
それは輝きが宝石の中でも特に美しいからです。
ダイヤモンドは屈折率と分散度が宝石の中でトップクラスで、この二つがダイヤモンドの輝きを生み出しています。
そしてダイヤモンドをブリリアントカットすることで、よりその特徴を引き出しているのです。
ブリリアントカットは色が薄くなってしまうので、普通カラーストーンには行いません。
ダイヤモンドだからこそ輝きに特化したブリリアントカットが施せるのです。
ダイヤモンドが贈り物として選ばれる理由
ダイヤモンドが婚約指輪などの特別な贈り物として人気があるのはなぜでしょうか。
宝石言葉に「永遠の絆・純潔・不屈」という意味が込められているという点もありますが、他にもたくさんの要素があります。
ダイヤモンドは硬度10と全宝石の中でもっとも硬く、日常使いでも傷がつきにくい宝石です。
通常であれば経年劣化したものは価値が下がりますが、傷がつきにくいダイヤモンドは価値が下がりにくいのです。
さらにダイヤモンドは無色透明でどんなファッションでも合わせることが出来ます。
そのため好き嫌いが少なく、相手の好みがわからなくても贈りやすいという利点があります。
ダイヤモンドは丈夫さ、価値、そして贈りやすさの3つの点で贈り物として人気が高く満足度が高い宝石なのです。
5月の誕生石「エメラルド」
エメラルドの石言葉
「幸運・幸福・安定」
エメラルドの扱い方
エメラルドは衝撃に弱いという特徴がありますが、少し工夫して扱うだけでもその心配が少なくなりますよ。
特にぶつけやすいリングは利き手と反対の手につけるようにしてください。
利き手はどうしてもドアノブを掴んだり鞄の中に手を入れたりなどして、気付かないうちにエメラルドをぶつけてしまう可能性があります。
逆の手にすることでぶつける可能性がグッと低くなりますよ。
価値あるエメラルドとは?
価値あるエメラルドはどこで決まるのでしょうか。
エメラルドは色、クラリティ(透明度)、カット、大きさ、産地の5つの基準で決まります。
基本的に色の濃い方が希少性が高く高評価されますが、黒っぽく見えるほど濃い色はあまりよくありません。
透明度が高く、左右対称で中心から輝きのあるカットを施されたものを探しましょう。
大きさは大きくなればなるほど希少性が高くなり価格も高くなります。
産地はコロンビア産が有名で人気が高いですが、まずそのエメラルドが美しいかどうかの方が重要となります。
6月の誕生石「ムーンストーン」
ムーンストーンの石言葉
「幸運・健康・恋の予兆」
ムーンストーンと名前がついた理由とは
インドでは月の光が固まって生まれたという伝説が残るムーンストーン。
いろんな国で月に由来した名前で呼ばれています。
満月の時にムーンストーンを口に入れると未来が見通せるという言い伝えもありますし、ローマ人は月の女神と結びつけたそうです。
世界中で月に関する言い伝えや名前が残っているのは、やはりそれだけムーンストーンは月のイメージにぴったりなのですね。
ムーンストーンのジュエリーの取扱方
ムーンストーンは硬度6-6.5と柔らかく、1箇所に衝撃を与えると割れてしまう性質があるため 扱いには注意が必要です。
普段使いをするなら出来る限りネックレスやピアスなどぶつける心配が少ないアイテムの方が安心です。
リングであれば利き手と逆の手にはめるようにしましょう。
出先で外す場合は他のジュエリーとぶつからないように別のポーチに入れるようにしましょう。この時、緩衝材になるものでくるんでからチャック付きポリ袋などに入れると安全ですよ。
7月の誕生石「ルビー」
ルビーの石言葉
「情熱・仁愛・威厳」
ルビーの値段はなぜ高いのか
ルビーはダイヤ、エメラルド、サファイアと並んで世界4大貴石と呼ばれています。
その中でも高品質なルビーの1ctあたりの価格が非常に高くなっているのはなぜでしょうか。
ルビーはサファイアと同じコランダムという鉱物ですが、赤色のものだけをルビーと呼びそれ以外はサファイアとなります。
それだけでもルビーの数がサファイアよりも非常に少ないことがわかりますね。
さらにルビーの着色成分であるクロムがルビーの結晶成長を妨げていて、大きなサイズが取れにくく希少性が上がっているのです。
宝石の女王、ルビーの意味を知っていますか?
ルビーの語源はラテン語で赤を意味する「ルベウス」。
当時は赤い色の宝石は全てルビーと呼ばれていました。鑑別技術もない時代ですからそうなって当たり前かもしれません。
ルビーの強烈な輝きは太陽に例えられ、情熱の象徴でもありました。
そんなルビーを古代インドでは、ルビーは宝石の王という意味のラトナラージと呼んでいたようです。
8月の誕生石「ペリドット」
ペリドットの石言葉
「夫婦愛・幸福・平和」
ペリドットは「太陽の石」その意味とは?
ペリドットは常に光と関連づけられており、エジプト人は「太陽の石」と呼んでいました。
太陽神を信仰していたエジプト人にとってペリドットは特別な宝石で、ファラオたちの王冠や装飾品と使用されたそうです。
また、ゴールドと非常に相性がよく、イエローゴールドとペリドットの組み合わせは、夜の恐怖から持ち主を守ると信じられていました。
意外と知られていないペリドットのすごい特徴とは
ペリドットは非常に高い複屈折性を持っていることから、面白い現象を見ることができます。
ダブリングといわれる現象で、上からみた時に裏のファセットの線が二重に見えるのです。
あまりにハッキリと見えるので、自分が乱視になってしまったかと錯覚するほど。このダブリングのおかげでペリドットはより輝きが複雑に見え、色に深みが出ています。
9月の誕生石「サファイア」
サファイアの石言葉
「慈愛・誠実・徳望」
価値のあるサファイアとはどんな色?
サファイアは赤色以外の全ての色が存在しますが、特に価値のある色はロイヤルブルーと呼ばれる色で、最高品質の色になります。
ロイヤルブルーはイギリス王室の公式カラーで、深みのある鮮やかなブルーが特徴です。
さらに希少価値が高いのがコーンフラワー(矢車草)ブルーと呼ばれる白みがかかった優しいブルーのもの。
この色は現在ではほとんど産出していません。またピンクがかったオレンジ色のパパラチアサファイアも希少なサファイアとして有名ですよね。
サファイアに伝わる言い伝えとは
サファイアのブルーは精神世界と深く関わりがあると言われ、神の言葉を告げる宝石とされてきたこともあり、宗教上の儀式や聖職者の指輪として使われるようになりました。
「浮気をすると色が変わる宝石」として18世紀に流行し、戦争から帰ってきた男たちは眠っている妻の額にサファイアを乗せて色が変わるか確認したと言います。
「結婚して幸せになれる宝石」としてサムシングブルーとしても選ばれたそうです。
10月の誕生石「トルマリン」
トルマリンの石言葉
「希望・無邪気・寛大」
トルマリンの効果的なお手入れ方法
トルマリンは日常使いにもしやすい硬度を持っています。そのためか、普段使い用のカジュアルなジュエリーにも多く使用されています。
日頃の汚れを取る簡単な方法は食器用洗剤を用いたやり方です。容器にぬるま湯と食器用洗剤を数滴入れ、その中にジュエリーを10分ほどつけます。
その後柔らかな歯ブラシで磨き、流水で洗い流しましょう。柔らかな布で拭きあげれば裏側の汚れまで落ちてトルマリン本来の輝きを取り戻しますよ。
多彩な色が魅力!トルマリン
トルマリンは多種多様な色合いが楽しめるのが魅力です。有名なのは深いグリーンで落ち着いた森林のような色をしています。
世界三代希少石の一つに数えられているパライバトルマリンはネオンブルーが美しく、色が2層に別れたウォーターメロントルマリンも個性的。
最近人気なのはピンクトルマリンで、柔らかで可愛らしい色合いが特徴です。
11月の誕生石「ブルートパーズ」
ブルートパーズの石言葉
「友情・希望・潔白」
ブルートパーズの処理と魅力について
数ある宝石の中でも特に目をひく色をしているブルートパーズ。鮮やかなスカイブルーは一度見たら忘れられないようなインパクトがあります。
ほとんどのブルートパーズは色をつけるのに放射線処理が行われています。
放射線というと特別な処理と思われがちですが、これはじゃがいもの発芽抑制など食品にも行われている人体に害の無いものですのでご安心ください。
トパーズは硬度も硬くジュエリーとして扱いやすい石ですから、日常使いにもオススメです。
トパーズって2種類あるのをご存じですか?
トパーズは主成分として含まれる元素の違いによってOHタイプとFタイプの2種類に分かれます。
OHタイプはインペリアルトパーズと呼ばれ黄色、シェリーカラー、ピンク、レッドなどの色があり、Fタイプよりも希少性が高いです。
Fタイプは無色透明やブラウンなどがあり、一番人気があるのがブルートパーズになります。
12月の誕生石「タンザナイト」
タンザナイトの石言葉
「高貴・成功・誇り高き人」
タンザナイトを選ぶ時の基準とは?
美しいタンザナイトを選ぶ時の基準で特に気にしたいのが色味で、昔から紫味よりも青味が強いものが好まれる傾向にあります。
そして宝石の輝きを引き出すための透明度、カットもポイントです。透明度が高いものほど希少性が高く光をたくさん通すため本来の美しさを楽しめます。
カットは正面から見た時に真ん中からキラキラと輝くものを選びましょう。
本当はブルーゾイサイト、なぜタンザナイトと名前が変わったのか
タンザナイトの本来の名前はブルーゾイサイトです。
東アフリカで発見されたブルーゾイサイトはアメリカのジュエリーブランドティファニーの社長の目に留まり、産出国のタンザニアにちなんでタンザナイトと名付けられました。
ゾイサイトというと少し堅い印象を受けますが、タンザナイトというと少しミステリアスな印象になりますね。
1989年からは産出量が増え世界中に広まっていきます。
タンザナイトは最初はサファイアの代用品として人気となりましたが、現在ではタンザナイト独特の青みのある紫色が人気の非常に高い理由となっています。